先週は様子を見ているうちに500円近く暴落していってしまいました。
失敗を研究することで、今後の投資成績向上に役立てばと思います。
【なぜ中間決算発表後に暴落したのか?】
メガチップスの通期予想と中間決算は下記のようになっています。
08年3月期通期業績予想(会社発表)売上高 55800百万円
営業利益 3600百万円
経常利益 3600百万円
税引後利益 2650百万円
08年3月期中間決算と通期予想に対する進捗率 ※( )内は前年同期進捗率売上高 25456百万円 45.62%(41.1%)
営業利益 1600百万円 44.4%(36.9%)
経常利益 1534百万円 42.6%(37.1%)
税前利益 1422百万円
税後利益 1627百万円 61.3%(34.9%)
中間決算短信はこちら
これだけ見ると、通期予想に対する進捗率は前期に比べて上ブレ傾向で、特に税引後純利益は進捗率がとても良好なように思えます。
私も、この好決算なら暴落することはないと思い、ホッとしていました。
しかし、翌日大暴落。その後も下げ止まらず年初来安値を更新してしまいました。
市場コンセンサスの未達とか、証券会社のレーティング引き下げとかいろいろ理由を聞きましたが、追加で自分なりに考えてみると、PERが高すぎたのが原因かなと。
確かに、マネックス証券の株価照会画面では連結PERは18.1倍とか出てると思うので、一見割安なようにも見えます。
しかし、今期のメガチップスは繰越欠損金をもつ子会社と合併したせいで、税引後純利益が大きく膨らんでいます。一般の会社は繰越欠損金なんてありませんから、このまま他社比較をするのは少しおかしいので、税負担を正常化するため繰越欠損金の影響を除いてみると、メガチップスの今期予想PERは30〜34倍だったことが判明しました。(暴落前の終値2330円で計算、詳しくは記事後半で述べます)。
現在東証一部の平均は約16倍強と言いますから、成長性を考慮してもPERは25倍(1900円)くらいじゃないかという市場心理が働いたのかもしれません。
確かに今の地合いを考えれば、PER30倍超えなら暴落しても仕方ないと思います。
さらに、法人税等調整額の影響も考慮すると、PERはもっと高まります。
投資するにあたって繰越欠損金で純利益が膨らんでいるのは知っていましたが、具体的な数値にして影響額を算出する努力を怠っていたのを後悔しています。
【メガチップスの今後】
メガチップス上昇のための当座の問題としては、有力視されている「上方修正の幅」と「DSテレビ」だと思います。特にDSテレビはまだ比較的認知度が低いので、バカ売れしていることがWiiやDSのようにメディアで大々的に取り上げられれば、もっとあがると思います。
そして、中長期的な問題としては、私は「システム事業」だと思ってます。メガチップスのシステム事業ではセキュリティ・モニタリング分野における技術及び製品を開発しています。まだLSI事業の20分の1程度しか売上がありませんが、「セキュリティ」は最近世間の関心の高いテーマなので、ヒット商品が生まれれば、今後の飛躍に大きく貢献することでしょう。
私はしばらく様子を見て、何か材料が出るか1800円を割り込むようなことがあればまた株主として参加しようと思います。
【その他】
以下、なぜメガチップスのPERが30倍超だと算定したのかの根拠です。間違ってたら教えてください。簡単な解説も加えていますが、自己満足の分析なので面倒な人は飛ばした方がよいかもしれません。
☆☆☆
【合併により770百万の繰越欠損金を引き継いだ】
メガチップスの今中間期の純利益好調の要因は会社発表にもあるように、「連結子会社から引き継いだ繰越欠損金」の影響で、法人税が軽減されているためです。
まず、繰越欠損金についてごく簡略に説明しますが、
法人税は利益に対してかかります(厳密には違います)が、前期までに赤字があると、それを損益通算して計算することができます(所得税の損失の繰越控除みたいな感じです)。
私は最近株主になったので知らなかったのですが、調べたところによると、昨年まではメガチップスは持株会社であり、連結子会社としてメガチップスシステムソリューションズとメガチップスLSIソリューションズがあったらしいです。
合併前のシステム会社の方は近年赤字続きで、2007年有価証券報告書によると、770百万円もの繰越欠損金による税効果を持っていたようです。
ところが、これらを今年吸収合併してメガチップスというひとつの会社になりました。メガチップスはLSI会社の方で十分な利益を上げていましたので、めでたくシステム会社の繰越欠損金枠を使えるようになりました(なってるはずです)。
その証拠に当中間期は、法人税等は4百万円しか計上していません(前中間は494百万円)。おそらくこのうち法人税はゼロじゃないでしょうか。4百万円はたぶん住民税の均等割りとかだと思います。
つまり、繰越欠損金で法人税が免除されることで税引後利益が押し上げられているわけです。
【多額の法人税等調整額も計上】
その他、中間決算短信のP/Lの末尾を見てみると、法人税等調整額が貸方(利益に貢献するほう)に209百万円(前中間は借方に17百万円)計上されていることも利益を押しあげています。この法人税等調整額の中身は開示されていないのであくまで想像ですが、おそらくシステム会社の繰延税金資産のうち、回収不能として控除されていた繰延税金資産が、メガチップスと合併したことで再び計上可能となったものかと思われます。
会計上は、税効果を認識すべき将来減算一時差異等があったとしても、それが回収不能と判断されれば、繰延税金資産を計上(≒貸方の法人税等調整額を計上)しません。
システム会社は赤字続きだったので、課税所得の発生が見込めないため繰延税金資産を計上をしなかったのでしょう。
07年有価証券報告書によると、853百万円の繰延税金資産を回収不能として控除しています。このうち650百万円くらいは繰越欠損金に係るもので、残りの853−650=203百万円が繰延税金資産として計上が認められたのかもしれません(あくまで推定です)
【当期限りの税務上の恩恵を除いてみる】
このように、赤字続きの子会社と合併したことで、当期は多額の税務上の恩恵を受けることができています。これらは、一時的なもの(来期以降は発生しない利益)なので、その影響を考慮してもう一度メガチップスの業績を見直してみることが必要だと考えました。
そこで、もしこの繰越欠損金がなかった場合のメガチップスの業績を見てみます。
中間決算と通期予想の進捗率 ※( )内は前年同期進捗率予想税引後利益1627百万円−770百万円=857百万円 32.3%(34.9%)
なんと、税引後純利益の進捗率が対前年度より悪くなってしまいました。
この考え方をもとに、繰越欠損金がなかった場合の予想PER(=株価÷1株あたり当期純利益)を算出してみます。
【1株あたり当期純利益の算定】
通期予想の税引後純利益 2650百万円 から
繰越欠損金 770百万円
をマイナスすると1880百万円です。
これを期中平均株式数で割ったものが1株あたり当期純利益ですが、簡便に中間期末の株式数(24,763,797株)とします。
よって、1株あたり当期純利益は、
1880百万円÷24,763,797株=75.91円
【PERの算出】
PER=株価÷1株あたり利益なので、暴落前の11月5日終値2330円を元に計算すると、
2330円÷75.91円≒30.6倍
さらに、法人税等調整額も貸方に209百万円(利益)計上していますが、前年同期は借方に17百万円(損失)です。おそらく来期は大幅に減るでしょうから、ここでは仮に200百万円減ったとします。
法人税等調整額も控除してPERを算出してみましょう。
【繰欠と法人税等調整額を除いた予想連結PER】
1880百万円−200百万円=1680百万円(繰欠&法調がなかった場合の予想利益)
1680百万円÷24,763,797株=67.84(同、一株あたり利益)
2330円÷67.84=34.3倍
というわけです。このように考えると、メガチップスが暴落した理由もなんとなく納得できませんか?
少なくとも私は、「材料出尽くし」や「上方修正がなかったことによる失望売り」とかよりは納得できました。どこかの証券会社がレーティングを引き下げたことも今ならわかる気がします。
今回の中間決算は、前期より5%ポイントほど上ぶれた程度で飛びぬけていいというほどではなかったということです。
ちなみに、同じ要領で計算した11月16日の終値(1856円)に基づくPERは24倍〜27倍です。成長性を加味したとしても、今の地合いではもうちょっと割安になってほしいところ。まだ下値不安が残るレベルです。
とはいえ、上方修正される確率が高いとは思ってます。
先ほども言いましたが、どれほど上ぶれるかの幅が重要です。
年末商戦が盛り上がればいいんですけど・・・
好きな銘柄なので今後も監視を続けることにします。
☆☆☆
今日は1日がかりの記事になってしまいました

最後まで読んでくださった方本当にありがとうございます★
最後に、記事が参考になりましたらクリックお願いします。励みになります。
(株初心者) (サラリーマン投資家)

